前歯のインプラントは、なぜ再手術になるのですか?

インプラント体が骨に結合しない初期の失敗はまれなほうですが、前歯では見た目の理由で手直しするケースのほうが多いです。奥歯は噛む力が優先ですが、前歯は隣の歯と色、透明感、長さ、歯ぐきのラインまで合っている必要があります。「インプラントが抜けたわけではないのに、歯ぐきがへこんで見えます」という声が、再手術につながることもあります。

  • 歯ぐきが下がり、歯が長く見える
  • 歯と歯の間に黒い三角形ができる
  • 隣の歯と長さや色がずれる
  • アバットメント(支台)や金属が歯ぐきから透けて見える
前歯のインプラントの歯ぐきのライン

外側の骨が薄いと、何が問題ですか?

薄い骨が減るにつれて、歯ぐきも一緒に下がります。上の前歯の唇側の骨は名刺のように薄いことが多く、この骨(歯槽骨)が歯ぐきの輪郭を支えています。薄い壁をそのままにしてインプラント体を入れると、金属が歯ぐきを黒く透かしてしまうことがあります。

骨移植がすべての前歯で基本になるわけではありません。ただし、外側の壁が薄い場合や抜歯後に骨が減った場合は、骨移植や歯ぐきの組織の補強をあわせて検討します。1本分だけ少し深く、あるいは外側に埋入しただけでも、歯が長く見えたり、歯ぐきのラインが左右でずれたりします。下がった歯ぐきについては下がってしまった歯ぐきの記事で取り上げています。

抜歯した日にすぐインプラントを埋入してもいいですか?

条件が合うときだけ行います。根の先や口蓋側の健康な骨で初期固定が得られ、唇側の壁とインプラント体の間を移植材で満たし、膜と歯ぐきで覆うことができれば、抜歯当日にインプラント体の埋入と骨移植を同時に行います。

現在の前歯治療
外側の壁が残り、固定が得られる抜歯した日にインプラント体と移植を同時に検討
壁が薄い、または骨が大きく減っている骨を補うか、待ってから埋入
歯ぐきがすでにへこんでいる支台だけを立てず、まず組織を確認

骨が弱すぎるのに無理に入れると、結合せずに歯ぐきが下がってしまいます。目の前の空いたスペースを隠すことよりも、数年後の歯ぐきのラインを残すことを優先します。

前歯のインプラントは、当日に仮歯を入れられますか?

初期固定が十分で、噛み合わせが許す場合にのみ入れます。その場合も、仮歯に噛む力が直接かからないよう削っておきます。固定が弱い場合は、別の方法で空いたスペースを隠します。ラインを残せないまま仮歯だけを入れると、インプラント体は残っても、黒く透けたり歯が長く見えたりすることがあります。

ウォンジン歯科ではこのように進めます

パノラマとCTで、まず外側の壁の厚みと歯ぐきのラインの高さを確認します。壁を残せる場合は抜歯当日の埋入を検討し、難しい場合は骨を補うか、待ってから埋入します。クラウンは隣の歯と色・透明感を合わせ、既製のアバットメントが透けて見える部位には、オーダーメイド(カスタム)アバットメントやジルコニアアバットメントを使います。再手術を避ける道は、最初から骨と歯ぐきのラインをあわせて計画することです。

再手術では、既存のインプラント体を取り除く過程で骨の欠損が大きくなり、移植の範囲が広がって期間も長くなります。前歯は空いたスペースがすぐに目立つため急ぎたい気持ちが強くなりますが、ラインを残せなければ、やり直す道のりは最初よりも長くなります。費用だけを見て前歯の治療を急がない理由です。治療内容は前歯のインプラント、費用は診療費一覧でご確認いただけます。

よくある質問

前歯のインプラントが揺れたら、再手術が必要ですか?

揺れているのがインプラント本体なのか、アバットメントのネジが緩んだのかをまず見分けます。アバットメントのネジが緩んだ場合は、締め直したり交換したりすることで解決することもあります。

すでにへこんだ歯ぐきを、また元に戻せますか?

歯肉移植などで一部を補強することはできますが、元のラインを完全に取り戻すのは難しいです。そのため、最初の計画でラインを残すことがより重要です。

前歯のインプラントの代わりにブリッジもできますか?

両隣の歯を削ってつなぐブリッジも方法のひとつです。隣の歯が健康な場合は削る負担があるため、インプラントと長所・短所を比較して決めます。

前歯のインプラントは、奥歯より期間が長いですか?

骨移植や歯ぐきの補強が加わることが多いため、長くなる傾向があります。歯ぐきの形を整える仮歯の段階を経ることもあるので、奥歯よりも余裕をもって計画します。